〜Tableau〜 【スキルUP】RFM分析からの要因分析 〜二重軸の注意〜
今回はRFM分析を行なった際に傾向が出た部分の要因分析をしたいと思います。
前にRFM分析で「利益×Frequency分析」を行なった際に
来店回数が少ないと利益小の品物を購入している傾向がある
スコープ設定
来店回数(Frequency)が5、6の顧客要因分析を行います。
理由は
- 来店回数の割合が大きい(5:126人、6:140人)
- 利益百分位が9、10(赤字)の割合が多い
2点です。
上記条件で利益百分位ごとの顧客単価の傾向を確認したいと思います。
Tableau操作
参考書に沿って操作し、私の見解を含めて説明します。
前準備1
フィルタ設定
Frequency5、6のみ表示させる為にフィルタをかけます。
ここで新しいフィルタ設定方法を発見したのでメモ。
ビュー表示内の5、6を複数選択して「保持」を選択。
完了。 フィルタシェルフにも自動的にフィールドが入ってる。
Tableauって結果に対してのアプローチがいっぱいあるから良き。(自分好みの設定方法が選択できるので)
計算フィールドの作成
顧客単価を調べるための計算フィールドを作成します。
分子は売上の合計で分析は顧客数です。
ちなみに「顧客数(COUNTD)」は既に計算フィールドです。集計となっているのでSUMが不要なのです。
分析作業1
利益と顧客単価の傾向を確認します。
列:利益百分率
行:顧客単価
マーク設定:棒グラフ
にします。
中間結果/考察
考察1 顧客単価推移が良好(1−8範囲)
顧客単価が高い順番で利益ランクが並んでいることがわかる。利益になる品物を多く購入していることを意味するので良い傾向。
考察2 利益ランク9、10の顧客単価上昇傾向
利益ランク8を境に9、10と顧客単価が増えているのが分かる。ランク9、10は赤字なので課題であるので、ここをさらに深ぼっていくことにします。
次のアプローチは顧客単価と割引率の関係を確認することにします。
前準備2
平均割引額計算フィールドの作成
以下の計算フィールドを作成します。
[売上]は割引後の金額なので割り戻して定価を算出します。
例えば、x円(定価)の品物を30%([割引率])で70円([売上])で販売したとします。 この時の式は
です。よってxは
です。 青字箇所が計算フィールドSUM内の前半項になります。
そこから[売上](割引後の金額)を引くことで割引金額を出力しています。
ちなみに計算フィールドにあるZNはNULLの場合は0を返す関数です。TableauではNULLは計算できず、そのレコードが無視されて集計されるのでそれを防いでいます。 実際にデータを見てみると割引率にNULLはないようなので、今回は入れても入れなくてもどちらでも良いです。
分析作業2
利益と顧客単価の傾向を確認します。
ビューに以下を配置します。
列:利益百分率
行:顧客単価、平均割引率
これでも良いですが見やすくするために二重軸で表します。
行に配置した「平均割引率」フィールドを右クリックして「二重軸」を選択。
「平均割引率」棒グラフの幅を調整する為に「マーク」>「サイズ」の設定を変更。 棒グラフ幅が同じで後方の棒グラフ(今回は顧客単価)が見えないためです。
結果/考察
グラフの表示は以下になりました。
考察1 割引率の推移(1ー8範囲)
「平均割引率」の傾向は「顧客単価」の傾向と逆で昇順に並ぶのではないか
と予想していたが結果はそうではなかったです。
しかし、綺麗には並ばないにしても右肩上がりの傾向は見える。 割引率を増額すれば顧客も反応して購入するので売上は上がるがその結果、「顧客単価」は下がることが見えます。
考察2 利益ランク9、10の平均割引率
他と比べて飛び抜けて「平均割引率」が大きい。それによって顧客が大量に購入されることで「顧客単価」が大きくなっていると推測できる。
ただ、利益ランクが8の割引率までであれば同じ状況でも「顧客単価」が下がる結果から、ここに割引率設定のラインがあると推測。
利益ランク9にあたる割引率を設定してしまうと、赤字商品を多く売れてしまうので、これを基準として割引率を設定する必要がありますね。
番外編 〜二重軸の注意〜
軸同期
「平均割引率」の縦軸を右クリックして「軸の同期」を選択します。
この設定をすることで「顧客単価」の縦軸と同期されて表示されます。
ここで伝えたかったのは見え方の違い。
軸同期前と比べて「平均割引率」の差がそこまで気にならなくなったのではないでしょうか。(傾向は見やすくなった。)
二重軸表現は2つの縦軸のスケールが異なると誇張した結果に見えやすいです。 メディアではあえてこのような表現をしているものがありますよね。
目的に応じて使い分けなければならないので注意が必要です。
まとめ
前回行なったRFM分析からの要因分析を行いました。
深ぼっていくとより具体的な面が見えるので分かりやすくて面白い。
ただ、やりすぎても狭い視野の中での分析になってしまうので、定期的に抽象的な分析に戻って傾向を確かめなければならないのかなと感じました。
ではまた次回もよろしくお願いしますー
参考書
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